4月 292011
 

GOPANで作るお米食パン、今回の銘柄は優しい食感系の「三重県産 伊賀の ヤマヒカリ」です。

GOPANのヤマヒカリお米食パン。山高に盛り上がる姿が美しい

GOPANのヤマヒカリお米食パン。山高に盛り上がる姿が美しい

お米の品種来歴を見ると、名前からもわかるとおり、親がコシヒカリなのですね。

 

名前の由来は

熟色が美しい品種で、中山間に光り輝く。

なのだそうです。

「滅びゆく米」だったヤマヒカリ。それを復活させた女性がいて、信念を持って守り、育てられたものなんだと思うと、とても感慨深いものがあります。
ゴパンも楽しみだけど、ご飯でも早く食べたいなぁ。

さて、米粒は前回の「夢の華」に比べると小粒です。でもミルの粉砕音は負けず劣らず大きかったです。

焼きの段階で、山高の凛としたフォルムに見とれていたら、あれよあれよという間に盛り上がり、パンの上面がGOPANの上蓋にくっつくんじゃないかと心配になったほど。

ヤマヒカリお米食パンの焼きはじめ。このままいったらやばいでしょう

ヤマヒカリお米食パンの焼きはじめ。このままいったらやばいでしょう

また、焼けているときのお米の香りにもハッとしました。
ほかのお米食パンはどちらかというと小麦グルテンやドライイーストの香りが先に立ちますが、ヤマヒカリはお米の香りが際立っています。

パンにナイフを入れたときにも、お米の香りがフワッと先に来ました。

切り分けると、大きな気泡が!  これが驚異的な盛り上がりの原因だったとは。

ヤマヒカリお米食パンの断面に大きな気泡。まぁ、これはどうしようもない

ヤマヒカリお米食パンの断面に大きな気泡。まぁ、これはどうしようもない

膨らむ速度が速い分、きめが粗くなりやすかったんですね。

 

<材料>

  • 水…白米と合わせて410g からスタート

    • 今回はこの水分量に「+3.4ml」足したので、
      白米(220g)+水=413.4g
      になります。
  • 上白糖…16g
  • 塩…4g
  • 無塩バター…10g
  • 小麦グルテン…50g
  • ドライイースト…3g

 

ヤマヒカリお米食パンの自己評価

  • もっちり 3
  • 甘さ 5
  • 身の柔らかさ 5
  • きめの細かさ 2
  • 形の良さ 3
  • 耳の食感 3
  • 口溶け 3
  • 粘りけ 4

 

ヤマヒカリお米食パンをカット。きめは粗めです

ヤマヒカリお米食パンをカット。きめは粗めです

 

食べ始めの食感はあっさりしていて、身の柔らかさ以外に際だった特徴は感じられませんでした。

甘みも初めは控えめなのでうま味が先にきます。
ところが、噛みしめているうちに甘みもうま味も強くなっていきます。
特に耳は「硬い」というよりも「しない」(北海道の方言で、「弾力・柔軟性はあるが歯でかみ切りにくい」)ので、口の中で溶かすように食べると、うま味がじわじわとしみ出してくるようです。

食べ終わると、口の中がまるでお菓子を食べたあとのように甘みがじーんと残っています。

耳の香ばしく焼けたところにうま味が凝縮しています。お米の味もしつこくない程度に感じます。ただし耳の食感に粒々したものが残ります。

切り分けたり、耳をちぎっても、細かいパンくずが比較的散らばりにくかったです。

ふんわりしたパンの食感で優しいお米らしさを味わいたい人に向いているかなと思います。

翌日食べたところ、少しパサパサしていますが、身は十分柔らかく、やはりパンくずが散らかりにくいのがいいです。
味はあっさりしていますが、昨日ほどではないにしろ、食べたあとに甘みが残ります。
サンドイッチや、ジャムなどをペーストするのに適した、優しい味です。

 

4月 272011
 

今回のGOPANで作るのは、もっちり系の銘柄米「広島の品新種 夢の華」を使ったお米食パンです。

GOPANの夢の華お米食パン

GOPANの夢の華お米食パン

まず最初にお米を洗っていて、米粒の透明感に目を奪われました。

キラキラしている米粒の縦にスッと一本白いすじが顕著に入っているのがおもしろいです。比較的粒は大きくて、ビーズか宝石のようにキレイです。

夢の華の米粒。透明でキラキラしていてビーズのよう

夢の華の米粒。透明でキラキラしていてビーズのよう

そして今回の夢の華は、ミルの粉砕音が家中に響きました。これは強そう。

こねているときも重く硬い感じ。ずっしりとした腰の強さがずんずん伝わってきます。
水が少なかったわけではなく、今回は「+7.9ml」と比較的多めに足しましたが、生地の伸び感が少なかったです。それだけねっぱり(粘りけ)が勝っているのでしょう。

焼きの最初のミル動作で、微動だにしないほど、生地がしっかりしていました。

夢の華お米食パンの発酵状態。ミル動作にもびくともしません

夢の華お米食パンの発酵状態。ミル動作にもびくともしません

「夢の華」米は「低アミロース、低タンパク質」が特徴で、アミロースはコシヒカリよりも2%低いのだそう。
なお、アミロースが低いほど粘りが強く、冷めても硬くなりにくく、味も保たれるとのことです。

夢の華の来歴を見ると、やぱりコシヒカリが関わっているんですね。

 

<材料>

  • 水…白米と合わせて410g からスタート

    • 今回はこの水分量に「+7.9ml」足したので、
      白米(220g)+水=417.9g
      になります。
  • 上白糖…16g
  • 塩…4g
  • 無塩バター…10g
  • 小麦グルテン…50g
  • ドライイースト…3g

 

夢の華お米食パンの自己評価

  • もっちり 5
  • 甘さ 4
  • 身の柔らかさ 3
  • きめの細かさ 3
  • 形の良さ 5
  • 耳の食感 3
  • 口溶け 3
  • 粘りけ 5

 

夢の華お米食パンの断面

夢の華お米食パンの断面

まず、パンをちぎろうとする手にパンの切り口がくっついて離れません。
ねっとりとした粘りけが強烈で、食べていると舌の奥の方で味わえます。
耳がしっかりしていて味が濃縮されている感じ。

この夢の華お米食パンは、オープンサンド向きで、フランスパンのようにカットしていただくのが適しているかな。
耳が細かく砕けて、散らかりやすいのがちょっと難ですが。

夢の華お米食パンは粘りけが強烈なので、薄くスライスするのは無理です

夢の華お米食パンは粘りけが強烈なので、薄くスライスするのは無理です

時間をおいて食べると、耳がフランスパン並の硬さになってました。
口に含んでいると、シリアルのコーンフレークのような味わいがあって意外でした。
また、甘みも増していました。

今まで食べたお米食パンの中でもっちり・ねっとりの西の横綱(これに相当するほどの東のお米にはまだ出会っていないです)。

マンガで「夢の華」という横綱を描くとしたら、肌つやが良くて無双の粘り強さ、という設定にするだろうな。

翌日食べると、さらに甘みが増していました。
耳はパサパサしていますが身がしっとりと柔らかいままでした。

 

4月 242011
 

亀太商店のお米の中で最も気になっていたネーミングの銘柄米「天使の詩」。
今回は念願のこの「佐賀県産 天使の詩」を使って、GOPANのお米食パンを作りました。
パンの耳に浮かんだちょっと不思議な模様のエピソードも。

佐賀県産 天使の詩お米食パン

佐賀県産 天使の詩お米食パン

「天使の詩」というと、私は同タイトルの古くてとても切ない映画の記憶をお米に重ねてしまいましたが、お米の方の名前の由来はもちろん明るい理由からで、

肥沃な大地、九州・佐賀平野から生まれたとっておきのお米。手塩にかけて育てた美味しさは、真に“天の恵み”です。

ということだそうです。

来歴を見ると、以前食べた「ひのひかり」や「コシヒカリ」の孫になるのですね。
「佐賀の箱入り娘」たる所以です。

 

佐賀県産 天使の詩

佐賀県産 天使の詩

<材料>

  • 水…白米と合わせて410g からスタート

    • 今回はこの水分量でピッタリでした
  • 上白糖…16g
  • 塩…4g
  • 無塩バター…10g
  • 小麦グルテン…50g
  • ドライイースト…3g

 

天使の詩お米食パンの自己評価

  • もっちり 4
  • 甘さ 2
  • 身の柔らかさ 5
  • きめの細かさ 4
  • 形の良さ 5
  • 耳の食感 3
  • 口溶け 5
  • 粘りけ 5

 

ミルの動作時は、珍しく「ガリガリガリ」といった騒音がなく、静かな印象でした。
発酵状態も上々で、焼き上がりの姿も美しいです。

さて、いつものように焼き上がったパンをぐるぐる回して撮影していたら、カメラのモニターに、「顔認識のマーク」が表示されました。
こういうカメラの誤認識ってたまにありますが(本当に認識したのだったらこわい)、パン肌に人の顔はありえないでしょうよと、パンの表面をよーく見ると、妙な模様が浮かび上がりました。

GOPANの天使の詩お米食パンの反対側。なにやら模様が...

GOPANの天使の詩お米食パンの反対側。なにやら模様が...

ほー! まるで鳥のようです。左側を向いて羽を広げている火の鳥っぽい。
右側にはハートもどきのマークまで!
発酵と焼成の際に生じた偶然の模様とはいえ、目の大きさ、形、位置が絶妙です。

天使の歌お米食パンの断面

天使の歌お米食パンの断面

さて切り分けてたべてみた感想です。

食感は弾力より粘り気が強くて、口の中で溶けます。言い方があまりよくないのですが、率直に「ねちゃねちゃして溶ける」。
そうこれはあの衝撃を受けた「ミント米コシヒカリお米食パン」の食感に近いです。

天使の歌お米食パンを切り分けたところ

天使の歌お米食パンを切り分けたところ

甘さは控えめで、うま味が強く、後味がすっきりします。
耳に粒々感ありますが、耳の味にはあまり特徴が感じられませんでした。

身は柔らかふわふわなので、サンドイッチに合いそうです。

作りやすく、形もキレイにできて、おいしくて、とても食べやすい。
「天使の詩」だけに非の打ち所がありません。さすが「佐賀の箱入り娘」といった印象です。

その後の失敗談

「天使の詩」米でご飯を炊いたのですが、水加減を誤ってしまい、硬めに炊けてしまいました…。
そもそも私が硬めのご飯が好きとはいえ、ほかのご飯との食べ比べできるところまで持って行けなかったのが恥ずかしい。
後日改めて購入して、ご飯をいただくことにします。そのときに売り切れていなければいいけど。

ということで、今回の天使の詩ご飯は、チャーハンになってしまいました。
お米の口溶けがいいので食べやすく、味なじみがよく、硬めの口当たりがチャーハンらしくておいしかったです。

天使の詩のチャーハン

天使の詩のチャーハン

 

 

家から撮ったスカイツリーです

家から撮ったスカイツリーです

今日は区議と区長の選挙でした。空がいい色でした。

 

4月 182011
 

GOPANのブランド米食パン、今回は「山形県産どまんなか」で作りました。
名前の響きからすると、強そうなイメージですが、果たして?

山形県産どまんなかお米食パン

山形県産どまんなかお米食パン

山形ばコシヒカリ系の「はえぬき」が有名ですが、そういえばササニシキ系の「どまんなか」って、数年前のデビュー当時、あまりにもイメージとかけ離れた名前ということで話題になったことを思い出しました。その由来は

 

庄内平野のどまんなかにある、山形県農業試験場で生まれたお米

ということなのです。
以来記憶から遠のいていたのは、作れる農家さんが少なくなってしまったからなのですね。

 

山形県産どまんなか

山形県産どまんなか

<材料>

  • 水…白米と合わせて410g からスタート

    • 今回はこの水分量に「+10.3ml」足したので、
      白米(220g)+水=420.3g
      になります。
  • 上白糖…16g
  • 塩…4g
  • 無塩バター…10g
  • 小麦グルテン…50g
  • ドライイースト…3g

 

どまんなかお米食パンの自己評価

 

  • もっちり 5
  • 甘さ 2
  • 身の柔らかさ 4
  • きめの細かさ 3
  • 形の良さ 4
  • 耳の食感 3
  • 口溶け 2
  • 粘りけ 5

 

どまんなかお米食パンの断面。大きめの気泡が特徴

どまんなかお米食パンの断面。大きめの気泡が特徴

どまんなかお米食パンの食感は、ササニシキ系のイメージに反して、弾力と粘りけがものすごいです。
身はふわふわして柔らかいのですが、噛むと反発するほどの弾力があります。

身を引っ張るとゴムみたいに伸びます。
耳は焼きたてはパリパリしていていますが、時間がたつと硬くなります。

食感は「どまんなか」の力強い響きがぴったりな感じがします。

 

さて味の方ですが、甘みは少なめです。
お米の素朴で繊細な味わいに「ササニシキ系」だというのがよくわかります。

クリーム系のスープよりも、オニオングラタンや、ユッケジャンなど口当たりがサラッとしていて味の濃いスープが合いそうです。

どまんなかお米食パン。弾力と粘りが強くスライスするのに一苦労

どまんなかお米食パン。弾力と粘りが強くスライスするのに一苦労

お米の素朴な味わいのある、もっちり系のお米食パンが好みの方におすすめです。

 

4月 162011
 

GOPANのブランド米パンシリーズ、今回は、関東では超レアなお米、しっかり系の「岐阜県産 ハツシモ」です。
名前からして、興味深くて、どんなお米食パンになるのか楽しみ!

岐阜県産ハツシモお米食パン

岐阜県産ハツシモお米食パン

「ハツシモ」の名前の由来と特徴は、

特に収穫時期が遅い品種で、初霜の降るころに稔ることから付けられたもの。収穫量が少なく、幻のお米ともよばれ、米粒が大きいのが特徴。

なのだそうです。

 

<材料>

  • 水…白米と合わせて410g からスタート

    • 今回はこの水分量に「+3.4ml」足したので、
      白米(220g)+水=413.4g
      になります。
  • 上白糖…16g
  • 塩…4g
  • 無塩バター…10g
  • 小麦グルテン…50g
  • ドライイースト…3g

 

ハツシモお米食パンの自己評価

 

  • もっちり 5
  • 甘さ 2
  • 身の柔らかさ 3
  • きめの細かさ 3
  • 形の良さ 4
  • 耳の食感 4
  • 口溶け 2
  • 粘りけ 3

 

ハツシモお米食パンの断面。見るからにしっかりしてます

ハツシモお米食パンの断面。見るからにしっかりしてます

こねの段階で、羽の動き、生地の弾力を見ているだけで、「強そう」な予感が…。

発酵、そして焼き始めの窯伸びもよく、ぐいぐい膨らんでいきます。

ハツシモお米食パンの発酵。とばしてるねー

ハツシモお米食パンの発酵。とばしてるねー

焼き上がり、パンケースからパンを取りだして、羽の周りのバリを取るとるときに、その強さを実感しました。
バリを取るというより、「かち割る」感じ。強力。ガリガリです。

ハツシモお米食パン。美味しいのだけどちょっと後悔

ハツシモお米食パン。美味しいのだけどちょっと後悔

まず、身がもっちり柔らかく、耳に香ばしさがしっかり集結されています。
パン自体にうまみはあるのですが、身の味は比較的淡泊で口当たりが優しい。

噛んだときに、うにゅーっと歯に反発するような弾力はありますが、歯にくっつくような粘りけはさほどありません。

米の味がします…って当たり前のようでいて、お米食パンにするとお米の味が感じられなくなる傾向にあるなかでは、特徴の1つに含まれるのではないかと思います。

甘さがどぎつくないので、食べ終わったあとで口の中がべとつく感じはありません。
また、翌日は、少しむっちりしますが、おいしくいただけます。

ただ、これはあとからハツシモのご飯をいただいてから思ったことなのですが、ハツシモはパンには向きません。
十分美味しいのですが、お米食パンとして特化したものを探すよりも、ハツシモの優れた特徴(米粒が大きくしっかりしている)をパンにすることで失ってしまうのは、実にもったいないです。

パンにしてしまったことが少し申し訳なく感じるほど、ご飯の方が極まっていました。