ビリーがニューヨークから無事家に帰ってきた。
待ち構えていたのは、例のニューヨーク帰りの先輩クマたち。
「里帰りしてきたよ!」と、ニューヨーク到着直後の事件に始まり、一部始終を報告するビリー。
自慢げに話すビリーに、悔しさを隠しきれない先輩クマたちは、報告が終わった後、すかさず「…で、ビリーはどこの出身だったっけ?」と問いかける。
危ない危ない。ここで「ニューアーク」と答えてしまっては、今回の旅が水の泡になってしまう。
とはいえ実際のところ、ビリーはニューヨークの地名がよくわかっていないので、どこにしようか…悩んだあげく、名前と夜景がとても印象的だった「ダンボ」と答えた。
「DUMBOはDown Under the Manhattan Bridge Overpassのことさ。自由の女神目指して落ちる夕日が見えるんだよ!そこが僕のふるさとさ!」
知ったかぶりのビリーに、先輩クマたちは「ふふん」と鼻で笑ってこう言った。
「マンハッタンブリッジを渡った一帯は、確かブルックリンだったよな。つまりは、マンハッタン生まれじゃないって事だ。荒川を挟んだ東側の江戸川区がふるさとみたいなもんだな」と。
しまった!とビリー。
なんてこった…。マンハッタンじゃないけど、これでニューアークと言われなくてすむならいいか…。一応ニューヨーク市内だし。