創業なんと803年という、京都の老舗も真っ青な歴史を誇るザルツブルクのレストラン「ザンクト・ペーター・シュティフツケラー」へ。
ザルツブルグ旧市街の奥の奥、ケーブルカー登り口の近くにお店があります。
お目当てはもちろん、名物「ザルツブルガーノッケルン」というスイーツです。巨大なスフレということなので、おなかを空かして向かいました。
ザンクト・ペーター教会。この右下に目的のレストランがあります。
St. Peter Stiftskellerの看板。
入り口も、ちょっと奥まったところにあり、ここなのかなというところで店員さんらしき人がいたので、「ザルツブルガーノッケルン」がメニューにあるかどうかを尋ねてみたところ、まさにそうでした。
奥の奥に正式な入り口が。
お店はとても奥行きがあって、いくつもの部屋に分かれ、とても広いようです。
混んでいるようでしたが、ラッキーなことに、すぐに入れました。しかも、案内されたのは、窓際の綺麗な席。喜び勇んで着席しました。
ところが、出されたメニューはランチメニューとお食事メニューで、「ザルツブルガーノッケルン」の記載がありません。どうしようかと思いましたが、お腹も空いていたので、普通にコースをオーダーしました。
パンとスプレッド3種とじゃがいも。それぞれに初めての味が楽しめました。でもしょっぱーい!
だってザルツブルクは「塩の砦」ですもんね。塩をふんだんに使えるというのは、贅沢なことだったのかもしれないですね。
お魚料理はとても柔らかく深みのある味ですばらしいです! 美味しくいただきました。
Dorade vom Grill
mit Holzofengemüse und Mandelbutter
「鯛のアーモンドバターグリルと木のオーブン野菜」だそうです。
家でこんな風にオイルをかけると油っこくなるところでしょうが、さらっと食べられました。オイルの中にはナッツが入っていますね。
レモンをガーゼに包んであるのは、絞るときに飛び散らないようにするためかしら。こういう心配りって、今でこそお客様向きですが、元は皇帝・貴族への奉仕から伝わってきているんだろうなと感じます。普段着の旅行者にはあまりにももったいなさすぎます。
こちらは、
30 std gegartes und Scharf gegrilltes vom Rinderrucken, Rosmarin Karoffel Pilz Grostel und Hollandaise Schaum
30時間料理して強火で焼かれれた牛肉とローズマリー、じゃがいもキノコのオランデーソース添え
「30時間調理して」というのは味付けのことかしら。マヨネーズみたいなのはオランデーソースだったんですね。
はぁ〜。人生で初めてってくらい高級な料理です。
が、正直、メインディッシュまででお腹いっぱいになってしまいました。食事も終わり、ゆっくり水(炭酸の入ってない方の水です)を飲んでいたところ、メニューを渡されました。
そうです。コースにはデザートが含まれておらず、デザートメニューが食事後に出てきたのです。そこには堂々と「ザルツブルガーノッケール」の文字が並んでました。
そうそう、メニューと言えば、ドイツ語か英語か問われましたので、英語のメニューをお願いしてました。
ということで、ここで食べておかないと悔いが残る! ということで、「ザルツブルガーノッケルン」を注文しました。それほどの覚悟が必要なくらい、お腹いっぱいだったのです。
メニューには「25分」とありましたが、その間に飲み物が運ばれてきました。オーストリアに来てからすっかりカプチーノ好きになってしまったので、ここでもカプチーノをオーダーしました。
いろいろ種類のお砂糖が器に入っていてかわいい。中にはスティックの先に飴状に結晶しているごついのとかおもしろい!
黒いコーヒーカップに注がれたカプチーノ。ATTIBASSIってイタリアのエスプレッソを提供しているメーカーらしいです。ということは本格的な…ではなくて本物のカプチーノですね〜!
そもそもザルツブルガーノッケルンの発祥を調べてみたところ、大司教ヴォルフ・ディトリヒが愛人サロメのために、初めて作らせたようです。…って、この大司教の名前を書くのこれで3度目です。ミラベル宮殿・庭園→レジデンス→ザルクブルガーノッケルンと、目的はともあれ、ザルツブルグの名所や名物を作り上げることに尽力した、一途な大司教だったんでしょうねぇ。
その後ホーエンザルツブルク城に幽閉され、5年後の1617年にその牢獄で亡くなったのだそうです。なんとも。
さて、ザルツブルガーノッケルンを待つこと15〜20分ほどで、それは運ばれてきました。
「大きい。。。。。」
予想していた大きさよりもずっと大きな3つのとんがったメレンゲの山が並んだスフレです。私の顔よりも大きいんです。
運ばれてくる際、それを見ていた周りのお客さんらの視線が一点に集中しました。
どよめきとともに「あれはなんだ?」とウェイターさんに盛んに聞いているのが各所で聞こえました。
誇張ではなく本当なのです。
それほど珍しい、といいますか、巨大なスフレだったのです。
ウェイターさんが手際よくお皿にサーブしてくれました。
味は、ちょっと日本人好みではないかな、という感じでとろみと甘みが分かれている感じ。もちろん、とても美味しいです。ただ、量がとても多く、食べても食べても減りません。もったいない話ですが、最初はよく味わっていたのですが、後の方では、なんか流し込む様な感じで食べてしまいました。さすがに残すのはもったいないお化けが出てしまいますので。
食べている最中も、最寄りの席のお客さんがずーっと身を乗り出して見ていて、目を合わせたら笑っちゃいそうで堪えるのが大変でした。
ということで何とか完食。コースもデザートも非常に美味しくいただきましたが、最初から「ザルツブルガーノッケルン」だけを頼んでいた方が、ちゃんと味わえたかなとも思いました。まあ、すべて美味しかったので「良い」としておきましょう。
St. Peter Stiftskeller